いこか! あの街、あのお店
月刊おとまるくん1月号13ページ
御香宮神社JR桃山駅の近くにある御香宮神社の宮司 三木 善則(そうぎ よしのり)さんにお話をお聞きしているなかで、伏見という町の特異性が見えてきました。伏見の歴史をつくったのは、京都の中心部からは少し離れた地理によって生み出された、一味違った文化やユニークな人たちです。
古くから伏見は、大阪と京都を結ぶ宇治川や桂川、また、京都の中心地から続く伏見街道、奈良に続く大和街道などが町を横切る交通の要所でした。そのため、いろんな場所から来た人たちが伏見の町に住み、独自の文化を育みました。
伏見の酒蔵はその代表で、交通の要所だったが故に栄えたものです。当時から、伏見のおいしい水は有名でしたし、いろいろな場所から集まる酒米や、冬に遠くから出稼ぎに来る蔵人など、伏見という場所の利便性を生かして酒造りを行い、酒といえば伏見といわれるほどになりました。
長年、伏見文化のなかで人々に支えられてきた御香宮神社は、実は大変な歴史をくぐり抜けてきたそうです。時の権力者によって神社を移築されたり、戻されたり。時には戦いで神社内に屯所が置かれるなどの経験をしてきました。地の利を生かし、柔軟な発想で魅力的な商品を生み出してきた伏見の人々だからこそ、時代の大きなうねりに負けず、神社を支えることができたのではないでしょうか。今後もそんな地元の人に見守られながら、時を刻んでいくに違いありません。
「御香宮神社」
URL http://www.kyoto.zaq.ne.jp/gokounomiya/