山科のことならこの人に聞け! 鏡山次郎さん
月刊おとまるくん2019年1月号15ページ
「大切なのは、みんなで『つながる』ことだと思うんです」そう語るのは「ふるさとの良さを活かしたまちづくりを進める会」通称『ふるさとの会』の事務局長を務める鏡山次郎さん。月刊おとまるくん2019年1月号の本誌に掲載の「いこか! あの街あのお店 歴史編」では中臣遺跡を取り上げていますが、実はその記事のアドバイスをいただいたのが鏡山さんです。山科に生まれ、京都市立音羽小学校など地元の教壇に立ち、退職された今はボランティアで山科の魅力を伝える活動をされるなどバイタリティにあふれた方です。
長年、教職に携わっていた鏡山さん。退職後にふとこれからの人生を考えたとき、「地域で生きていく上で重要なのはつながりだ」という結論にたどり着いたといいます。そして『つながる』ために必要なことは地域の「歴史」「地理」「人間」をよく知ることだと考え、図書館で調べたり、街を歩いて探索したり、意欲的に山科を知る勉強を始めました。
大学では意外にも物理を専攻していたとのこと
もともと探究心が旺盛だったこともあり、その勉強は書籍を発行するまでになりました。そこから、ただ本を出すだけではもったいないということになり、地域の人が集まって街づくりをしようと始まったのが『ふるさとの会』です。鏡山さんたちが考える、ふるさと(=山科)の良さとは一体何かをお聞きしたところ、5つの魅力を教えていただきました。- すぐ近くに豊かな自然と美しい景観がある、自然の魅力
- 1400年を超える豊かな歴史の魅力
- 「山科祭」「地蔵盆」「にのこう※」など古くからの行事が息づく伝統的魅力
- 「山科義士まつり」「はねず踊り」など豊かな文化創造の魅力
- 住民パワーが「まちづくり」を支える、人間的な魅力
30人からスタートした会も、11年目を迎えた今では340人まで会員が増えました。女性会や老人クラブでの講演、山科ツアーの案内のほか、鏡山さんは古巣の音羽小学校にあるふるさとクラブで郷土学習のお手伝いをして10年以上だとか。「子どもたちに自分が住んでいる場所のことを知って、愛着を持ってもらえたら」とほほ笑む穏やかな顔は、地域と地域に住む人々への愛情であふれていました。
社寺巡礼案内
「ふれあい山科区民まつり」でのパネル展示
誌面には書き切れませんでしたが、最近の研究では藤原鎌足を生んだ中臣氏自身が中臣遺跡と深い関係があるのではないかとされているそうです。遺跡の上に一般の家屋が建ち、なかなか発掘調査が進まないという現実もありますが、公的な工事など機会があれば今後も調査は行われるということなので、新しい発見に期待しながら気長に待ちたいと思います。(アールプランニング 岩井)
ふるさとの良さを活かしたまちづくりを進める会(ふるさとの会)
http://furusato.la.coocan.jp/hurusato2/homeindex.htm
TEL:090(7960)0905(浅井)